トランプ陣営と関係していた複数の市民の氏名を「暴露」、つまり公開したアメリカ情報機関の職員は、「インテリジェンスの世界で非常に有名で非常に地位が高く、非常に経験を積んだ」人物であると、ある消息筋が金曜日にFOXニュースに語った。
機密の氏名を公開した件について直接知っているという情報機関と下院の情報筋がFOXニュースに伝えたところによると、下院情報委員会のデビン・ニューネス委員長(共和党、カリフォルニア)は、現在誰が関与しているか知っておりその人物はFBIの人物ではないということだ。
一般市民の身元が情報機関の報告書の中で「暴露」される、つまり名前を明かされることは極めて稀なことだ。一般的には犯罪の容疑者であるか危険な状態にあるアメリカ人は、報告書の文脈を説明するために名前が明かされなければならない。
「この件の主な問題点は、一般市民の氏名を暴露したことだけでなく国の安全やロシアによるアメリカへの干渉にまったく関係のない政治的な目的でこれらの氏名が広められたことだ」と、その捜査に近いある消息筋の議員はFOXニュースに語った。
明らかにオバマ政権下での監視活動の中で傍受されたアメリカ人の暴露が、ニューネスが主導する捜査の重要な点であり、彼はその要素に焦点を当てていることについて民主党の非難の的になっている。
ニューネスは、情報機関の2人の人物が彼に近づいた1月からその暴露の件について知っていた。それらの情報提供者はニューネスに誰が関与しているのかと、少なくともトランプ陣営の1人の氏名が暴露されたことを伝えた。また彼らは、その活動を記述した報告書のシリアル番号を彼に教えていた。
これは、トランプが3月4日に、当時のバラク・オバマ大統領が2016年の選挙中にトランプタワーを「盗聴した」とツイッターで主張した有名な出来事のずっと前の事だ。
ニューネスは情報機関に問題の報告書を見せるように要求したが協力を拒否されていた。
彼は最終的にそれらを見ることができたが、その情報源の身元が漏洩しないようにその文書を見ることができる安全な場所は1つしかなかった。それはホワイトハウスの敷地内にある古い幹部用の事務所で、そこには機密扱いや極秘の報告書を閲覧するのに必要な機密情報隔離施設(SCIF)が備えられている。ホワイトハウスはニューネスにその情報文書の存在について伝えなかったが、彼が要求した文書を入手できるように協力したと、その消息筋は語った。
一方ホワイトハウスはニューネスと彼の同僚に、トランプの就任前にどのような不適切な監視とリークが起きていたのかを追及しつづけるよう要請している。彼らは、3月2日にオバマ政権の元職員であるエヴェリン・ファーカスがMSNBCで、彼女の元同僚がトランプ陣営とロシアとの接触に関する情報を集めようとしていたとコメントした事を受けて勢いづいた。
ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は金曜日に、彼女のコメントと他の報道が、オバマ政権によって政治的な目的のために非常に機密性の高い情報を利用し漏洩するための「組織的で広範にわたる」取り組みがあったかどうかという点について、「重大な」懸念をもたらしていると語った。
「ファーカス博士が認めた内容だけでも衝撃的だ」と彼は語った。
ファーカスは2015年にホワイトハウスから離れており、ロシアの情報について個人的に誰にも助言以外は何も与えておらず、議会に事実を追及することを求めるとツイッターで自己弁護した。
トランプ陣営の関係者から収集された会話の内容は、明らかに外国のターゲットに対する監視活動中に集められたものだ。しかし、それらのターゲットに詳しい情報機関の人物は、7月中旬にトランプがGOPの大統領候補になるずっと前から彼らはスパイされていたと述べた。
更に消息筋によると、身元を暴露されたトランプ陣営と関係のある市民は、ロシアや他の外国の情報機関とは関係していなかったことが確認された。最初の暴露は他の監視へと繋がり、それによって他の一般市民が不当に暴露されることにつながったと消息筋は語った。
「身元を暴露することは前代未聞ではない。しかし、政治的な目的で・・・とりわけトランプの政権移行チームのメンバーがというのは、非常に疑わしく問題がある」と、ある情報機関の消息筋はFOXニュースに語った。「オバマとクリントン陣営に非常につながりの深い情報機関の複数の人物の反対は強かった。トランプが選挙に勝った後、彼らは1人ずつ狙い撃ちにしてトランプの大統領としての地位を脅かそうと決断したのだ」
ニューネスはまず3月22日の記者発表でアメリカの情報機関が、様々な情報レポートに情報と名前を入れて、トランプの政権移行チームの情報を「偶発的に傍受した」ことを明らかにした。彼の委員会は、それらのレポートから一般市民の氏名がどのようにリークしたのかに加えて、ロシアがアメリカの選挙に干渉したかどうかについて調査してきた。
下院情報員会の幹部であるアダム・シフ(民主党、カリフォルニア)は、ニューネスの調査を批判してトランプに報告すべきではなかったと主張した。ニューネスは翌日謝罪したが、彼の発見した情報はロシアとは関係なかったので大統領に報告したのだと語った。
下院情報委員会の少数のメンバーが金曜日にNSAを訪れてニューネスが見たものと同じレポートを閲覧する予定だと、ある情報機関の消息筋はFOXニュースに語った。