クレムリンの報道官は、選挙期間中にヒラリー・クリントン陣営もトランプ陣営同様にロシア大使と会っていたと述べ、トランプ氏のロシアとのつながりを取り巻く「疑心暗鬼」を退けようとした。
下院情報委員会は、3月20日にロシアに関する初の公聴会を開くが、そこにはFBI、NSA、そしてCIAの幹部および前幹部が参加する予定だ。
しかし、ドミトリー・ぺスコフ(報道官)は日曜日に、ロシアが選挙にハッキングしたと主張するのは「自己卑下」だと語った。
そして、セルゲイ・キスリャク大使の行動を擁護した。トランプ氏が任命したマイケル・フリン国家安全保障補佐官は、大使と面会したことで辞任することになったのだ。
ぺスコフ氏は、日曜の朝のCNNの政治番組で次のように語った。「これが彼の仕事なのだ。彼は両国の関係について、そしてアメリカで起きていることについて話していた。私たちはモスクワではもっと理解を示している。
これは世界中どこでも起きていることだ。」
彼は、詳細を述べなかったがクリントン氏の陣営もキスリャクと会っていたと語った。
「ヒラリー・クリントンと選挙中に接触していた人々を調べれば、そのような面談をたくさんしていたことが分かるだろう。」と彼は語った。
クリントン陣営はこの申し立てにまだコメントしていない。
しかし、Foreign Policyの今月初めの記事によると、クリントン陣営のメンバーは誰もキスリャク氏や他のロシア政府職員に会っていないということであった。また、この記事によると他の候補者も大使館とは「距離を置いていた」ということだ。
またクリントン氏の支持者は、問題は大使と会っていたことではなく、それを明らかにしなかったことだと指摘するかもしれない。
しかし、ぺスコフ氏は、モスクワは立ち込める疑惑に憤慨していると語った。トランプ政権は、不明瞭なロシアとのつながりに関する報道のしずくに付きまとわれ、それが大統領を激怒させ彼の敵を活気づけている。
ぺスコフ氏は次のように語った。
「その意味でロシアが非難されるという事実は、私たちにとって非常に奇妙な事だ。
「そして本当に残念に思っている。なぜならその問題全体が、私たちがより良い立場に向かう状況から遠ざけているからだ。
「まったく思いがけないことに、私たちはロシアがアメリカにとっての、言わば悪夢になったという立場に立った。
「ある国が干渉したと言うのは、自己で自分を貶めることだ。
「アメリカは、大国つまり非常に安定した政治の伝統を持つ世界で最も強力な国であるというのに、一国が容易に選挙に干渉して容易に影響を与えることができると言うのだろうか?これは単純に不可能だ。」
彼は、ロシアは「他国の事に干渉しようという意図を持ったことはないし、今後も持つことはない」と主張した。
ぺスコフ氏は、トランプ大統領が制裁を解除すると思うか聞かれると、ウラジーミル・プーチン大統領はその問題を最初に挙げることはないだろうと語った。まだ会談の日程は決まっていないが、両者は7月にハンブルクで開催されるG20サミットに参加する予定だ。
彼は、プーチン大統領はトランプ氏がクリントン氏を破ったことを喜んでいるが、ロシアは干渉していないと語った。
「ヒラリー・クリントン候補は非常に否定的だった。つまりロシアが主要な悪であり脅威であると宣言していたのだ。」と彼は語った。
「どちらを好むだろうか?ロシアが悪だと言っている人か?それとも同意はできないが同意できる点を捜してみようと言っている人だろうか?」
彼が最初にトランプ氏とコンタクトを取ったときは「非常に前途有望」だったが、ロシアはトランプ政権からの反応に失望が増していると語った。
彼は次のように語った。
「将来のことは正確に分からないが、私達の間にはとても重大な休止があったので、私たちのやり取りはより頻繁により深くなると確信している。
「私達はお互いにすべてを相手のせいにすることで可能性を失っていた。
「私たちが本当に懸念しているのは世論であり、むやみにロシアについてのフェイク・ニュース、虚偽の非難を山のように積み上げて、つまり毎日幾度となくロシアが干渉している、ハッキングしようとした、うまく行かないことはすべてロシアのせいだと繰り返すことだ。
「私たちはこの大げさな騒ぎが、すぐにでも論理的な終わりを迎えることを望んでいる。」
(※フォントの強調は当編集部による)