<引用元:デイリー・コーラー 2021.11.12>
ワシントン・ポスト紙は12日、スティール文書に関する2つの記事の一部を削除・訂正したと報告した。同紙は「記事のそうした要素の正確さをもはや堅持できない」と判断した。
同紙は、「ベラルーシ系米国人ビジネスマンを『スティール文書』の主要情報源として特定した」、2017年3月と2019年2月に発表の「2つの記事の大部分を訂正・削除するという異例の措置を取った」。
同紙は見出しを変更し、セルゲイ・ミリアンというビジネスマンをスティール文書の情報源として特定した複数の部分を削除したと述べた。2017年の記事に付記された編集者の注釈では、同紙は当初ミリアンが文書の情報源だと考えていたが、「その話は2021年11月に提出された連邦政府起訴状に含まれる申し立てと矛盾し、ワシントン・ポストのその後の報道で弱められた」ことが明らかにされた。
同紙は、最初の記事が発表されたのは匿名を条件に話した2人の人物のためだったが、消息筋の1人は「現在、新情報からミリアンが文書の一部の情報源であるという点に大きな疑問が提起されるといっている」と述べた。
2019年の記事は2019年(原文ママ・「2017年」の間違いの可能性)の報道を引用しており、編集者の注釈によると、それらの引用はその後削除された。
悪名高いスティール文書に対する批判者は、当局がロシア生まれのイゴール・ダンシェンコを逮捕し起訴状を公開した時にその疑いが正しいと証明された。起訴状では文書を構成する一連の嘘とでっち上げが詳述された。
ダンシェンコは、文書のための主要な調査員だったが、FBIに対する5つの虚偽供述容疑で起訴されており、ドナルド・トランプ前大統領のロシア共謀疑惑に関する情報の宝庫の編纂に関与している。
共和党サウスカロライナ上院議員のリンゼー・グラムによると、ダンシェンコが文書に関して複数の矛盾した供述を行った後、FBIは2017年に「文書の信頼性は完全に破壊された」と結論付けていた。
ダンシェンコは2020年に文書の主要な情報源であることが明らかになった。
ワシントン・ポスト紙は説明の中で、ダンシェンコの逮捕後、「同紙による新たな報道がミリアンの関与について『疑問を生んだ』」と述べた。
ワシントン・ポストは、「ミリアンの記事を編集して再掲載するという本紙の判断は、報道界では極めて異例のことだ」と述べ、他の報道機関も部分を完全に削除するのではなく記事に訂正を追加するかもしれないと指摘した。「特に4年以上が経過してから、発表後に大幅な変更を行い、編集した記事を再掲載するというのはまれなことだ」