<引用元:ワシントン・エグザミナー 2020.11.1>社説
選挙運動も最後の週に入ったが、スーダン、イスラエル、米国がまたも画期的な外交協定を結んだことを喜ばしく思う。スーダンとイスラエルが完全な外交関係を交わしたことは、2カ月のうちで結ばれたそうしたイスラエル・アラブ合意の3番目だ。
この合意は、歴史的であるだけでなく道徳的にもお互いにとっても有益だ。
この合意を冷笑したり軽視したりする人々の多くは、賄賂によってのみ勝ち取られたのだという前提に基づいている。こうした批判者は自分たちの主張を支える事実をほとんど持っていない。最近のインタビューで、スーダンの暫定政権指導者であるアブドゥルファッターハ・ブルハーンは、スーダンがイスラエルを認めるよう圧力を受けたという考えを退けた。「我々は正常について脅迫を受けていない」とブルハーンは述べ、合意は「スーダンの利益にかなって」いたと付け加えた。イスラエルを認定し、米国からテロ支援国の除外を勝ち取ることによって、スーダンは「国際社会に復帰し、我々は経済的な利益を享受し技術を得る」と彼は述べた。
スーダンは、ガザのハマスに対する忠誠のほうが貢献するという妄想的な考えではなく、イスラエルとの平和的交流が自国の利益に最も貢献すると考えている。
こうした理解は、イスラエルが最近達成した全ての和平合意の背景にある、重要な土台だ。結局のところ、まともな考えを持った政府なら、パレスチナの腐敗した政治的支配階級―ウエストバンクのファタハとガザのハマスのテロリスト政治実体に服従することが国民のためになると主張するはずもない。別の選択肢が、大幅な貿易、インテリジェンス、そして外交上の利益をもたらす、活気があって多様な経済と関わることであるならなおさらのことだ。
政府の成功の重要な評価基準は、末端の国民の生活向上のために果たすことだと認めるなら、この合意はまさにそれを実現するだろう。スーダンの輸出の上位を占めるのはエネルギー供給であり、イスラエルにはまさにそのニーズがある。スーダンの人々は、外交関係を引き続き拒否することと、米国のテロ支援リストに載っていることで、どんな利益を獲得していただろうか?
これらは本当の意義深い外交上の勝利であり、トランプ政権は実に称賛に値する。こうした合意は、米国のリーダーシップと仲介なしには全く不可能だっただろう。アラブ首長国連邦を説得して、思い切って数十年のとげとげしさと相互蔑視を隅に追いやらせたのは、トランプ政権だった。UAEはここ数年、イスラエルとの外交・インテリジェンス関係を進展させていたが、正式な平和的外交関係の状態に向けた動きは、非常に重要だった。それは、サウジが主導するスンニ派のアラブ君主国側で、信用できない敵ではなくパートナーとして、イスラエルに接近するという正式かつ象徴的な転換を示すものだった。他国がそれを実行するための障害を取り除いた。その上、イスラエルとの平和的な新しい章は、集団略奪やイランからの攻撃となる必要はないことを立証した。UAE、バーレーン、そしてスーダンが今回行ったことは、サウジ皇太子のムハンマド・ビン・サルマーンがイスラエルとの合意に達するための自信につながっていると我々は確信している。
米国人はこうした合意から利益を得た。米国のテロ支援リストからの除外の見返りに、スーダンは、1998年のハルツームの大使館爆破で亡くなった米国人犠牲者の遺族のための第三者預託口座に、3億ドル以上を振り込んだ。そして今、制裁緩和の恩恵を受け、スーダンは今、少しでもテロに戻ろうとする誘惑に乗れば、政治的にも経済的にも多大な損失を被ることも分かっている。
スーダンよ、よくやった。イスラエルよ、よくやった。アメリカよ、よくやった。