<引用元:ニューヨーク・ポスト 2020.6.3>
世界保健機関と世界のいくつかの政府は、新型コロナウイルスの方針を変更して、ヒドロキシクロロキンの試験を再開した。米国の小規模医療会社から得たデータに疑問の余地があったためだ―また同社はSF作家とアダルトモデルをスタッフとして雇っていた。
その会社、サージスフィアの従業員には、正体不明のSF作家とセールスディレクターを兼務するアダルトモデルがおり、最高責任者が共著したCOVID-19に関する複数の研究についてのデータを提出していた―が、同社はデータや手法を適切に説明することを拒んだとガーディアン紙が3日報じた。
シカゴに拠点を持つ同社が世界中の1,000以上の病院から入手したと主張するデータは、複数の国での新型コロナウイルス治療での変化をもたらすことになった科学論文の根拠となった。
イリノイ州スプリングフィールドの血管外科医、サパン・デサイ博士が創設した同社は、WHOや他の研究機関がヒドロキシクロロキンの試験中止を決定したことにも影響を与えた。トランプ大統領はその薬を褒めちぎり、コロナウイルス予防薬として服用していた。
WHOは3日、その抗マラリヤ薬の試験を再開すると発表した。
2つの一流医学情報誌―ランセットとニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン―は、ヒドロキシクロロキンの致命的副作用の可能性について懸念を提起するサージスフィアのデータに基づく研究結果を発表し、研究者は試験を中止することになった。
ランセットは英国の報道機関の調査を受けて2日、発表した研究結果に関して「懸念の表明」を公開し、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンも同様のメッセージを出した。
「データベースの信頼性に関する懸念が持ち上がった」ことを理由に、サージスフィアとは無関係の著者によるデータの独立監査が実施されたと同誌は述べた。
ガーディアンが公開記録を調査したところ、サージスフィア社の従業員の何名かに、データや科学的な背景があったとしてもわずかしかない者がいることが判明した。
同紙はまた、サイエンスエディターとして挙げられている1人の従業員が、SF作家でファンタジーアーティストであるらしく、マーケティング担当役員として挙げられている別の人物がアダルトモデル兼イベントホステスだということも発見した。
同社のリンクドイン・ページのフォロワーは100名に満たず、先週はわずか6人の従業員しかリストになかった―その数も3日には3人に変更されている。
(略)
否定的な研究結果は世界的なニュースとなり、それによってWHOは世界的試験のヒドロキシクロロキン部門を停止するに至った。
だが研究に参加したとされる病院の多くはデータを疑問視していた。データは世界の感染例を追跡するジョンズホプキンス大学の報告書とも食い違っていた。
ガーディアンは他の病院にもコンタクトを取ったが、やはり研究データとは食い違っていた。
デサイ博士は本紙のコメント要求に即座に返答しなかった。