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カバノーからキャロルへ、不信の直線

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<引用元:ワシントン・エグザミナー 2019.6.21>ケイリー・マギー(Kaylee McGhee)氏による論説

すれ違いざまのけたたましい口笛、近づき過ぎの男性からの不愉快な視線、手を置くべきではない場所に置かれた手。女性が肩身を狭く感じる毎日起こる些細なことであり、私たちを無へと縮小させる大きな、心の傷を残す出来事だ。

#MeToo運動が始まって2年、私たちの社会は性的暴力とその帰結との戦いを続けている。最近名乗り出た告発者は、ELLE誌の有名な人生相談コラム執筆者である、E・ジーン・キャロルだ。彼女は、自分の人生の様々な時点での少なくとも他の5人の男性に対するものと併せて、トランプ大統領が1990年代終わりに彼女に性的暴行を働いたことを世間に告発した。

キャロルのは、トランプの事件について彼女が同時期に語った少なくとも2人の人物によって、非公式にニューヨーク・マガジン向けに確認された。入念な調査を続ければ、バーグドルフ(・グッドマン)58番街店の入り口のセキュリティ・カメラからも、彼女の話が確認できるだろうとキャロルは言っている。ホワイトハウスはこれを否定し、彼女の話は偽りだとしている。

だが、(議論上)それが真実だとしよう。キャロルの話がその通りだとすれば、他の15人の女性達がドナルド・トランプについて主張してきたことを裏付けることになる。つまり、トランプは女性の価値を認めることも敬意を払うこともなく、女性をモノや自分の気まぐれの道具と見なしているというものだ。トランプの過去や彼自身の口を通した主張から、私たちがすでに知っていることからすると、キャロルの話は全く意外なものではない。

けれども、私はそれを少し疑いの目で読まずにはいられなかった。「なぜ今なのか?」という疑問だった。トランプが再選キャンペーンを始動したところだったからだろうか?なぜもっと早く名乗り出なかったのだろうか?確かに彼女は、「殺害の脅迫や、自宅から追い払われることや、仕事を外されることや、世間に恥をさらすこと」に直面したくなかったのだと述べたが、もしそうだとしてもなぜ今なのか?

私は、ブレット・カバノー最高裁判事の承認の間に自分が同じ質問をしていたことに気が付いた。彼にも似たような訴えが投げかけられ、1人の女性が自分の話を上院に持ち込むのを全国が見守った。当時私は、クリスティーン・ブラジー・フォードの証言は重要であると書いたし、今日までそう信じている。フィリップ・クラインが書いたように、告発者のことを反射的に信じるべきではないが、彼らの話は真剣に受け取るべきだ。

ところがフォードの話を利用して、民主党は裏付けとなる証拠がない男性を悪意を持って中傷した。彼女は、最高裁の任命をまたも阻止するための民主党の道具となった。異を唱える人がいるなら、フォードの後で名乗り出た他の女性達を見てみると良い。彼女たちの話は全て虚偽だと証明された。彼女たちは話を宣伝するために嘘を言い、結果として国全体が不快な思いをした。

フォードの受けた暴行――私はそれが実際に起こったことだと思うが、おそらくカバナーによるものではないだろう――は、武器となった。彼女の苦痛は、その証言始めから終わりまで実に明白だったが、党派的なテストとなった。カバナーに賛成票を投じた人たちは不合格となり、彼に反対票を入れた人たちは女性の権利の擁護者というレッテルが貼られた。フォードのせいではない。民主党のせいであり、彼らは彼女の意思に反して話を公表し、それから彼女を利用して、その後彼女を投げ捨ててしまっただけだ。彼らの行動の結果として、キャロルのようにもっと本当らしい告発ですら信じるのがもっと難しくなっている。

民主党だけのせいでもない。ミシシッピ州のトランプ支持者の聴衆は、大統領がクリスティーン・ブラジー・フォードをあざ笑うと、「彼女を監獄へ!」と唱えた。政治的に性的暴行を安っぽくするのは、サバイバーに対するひどい仕打ちだ。声をそろえた糾弾の叫びとしての役割を果たすべきことが、分断の原因となってしまっている。何万もの女性の苦痛は、今やただの武器なのだ。

女性に対して行われた間違いを正そうという適切な試みとして始まったことは、サバイバーの話を安っぽくし、不誠実な思い込みを推進する運動に変わってしまっている。ハーヴェイ・ワインスタインの失墜とクリスティーン・ブラジー・フォードの証言の間のどこかで、性的暴力はまた1つのただの政治的必需品になってしまった。

キャロルにはこれが分かっている。ひょっとするとそういう理由から、今まで名乗り出なかったのかもしれない。

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