<引用元:ワシントン・エグザミナー 2019.3.14>
FBIを解雇されたピーター・ストラック元捜査官は昨年、「司法省の検察官とクリントンの弁護士との間で結ばれた」双方の同意による協定のために、FBIはヒラリー・クリントンの個人サーバーにあったクリントン財団のメールに「アクセスできなかった」と議会に証言していた。
協定は、ストラックが2018年6月27日に下院司法委員会に対して非公開で行った証言の、新たに公開された議会記録の中で明らかにされた。
当時の与党側の主席法律顧問、ザカリー・サマーズに、「クリントン財団(のメール)がサーバーにあった」かと質問された時、ストラックはそれが「他のサーバーとはいわないまでも、サーバーの中の1つ」にあったと思うと証言した。だがストラックは、司法省とクリントンの間の協定のせいで、捜査に役立つ可能性のある情報を得るために、クリントン財団のメールを捜査することは、許可されていなかったと強調した。
バラク・オバマ前大統領が在任中であり、クリントンがドナルド・トランプ候補と大統領選挙戦を争っていた時、FBIは2016年にクリントンのメールを捜査していた。
サマーズは2018年の公聴会でこう質問した。「あなたは、捜査の一環としてそれらのメールに対するアクセスを許可されたか?」
ストラックは記録によるとこう答えた。「許可されなかった。我々はアクセスできなかった」
「中間試験」と名付けられた、クリントンに対するFBIの捜査では、彼女の私設サーバーを経由して送受信されたメールの中で、機密情報の取り扱いに不正があったかどうかに焦点が置かれた。
ストラックは、「(司法省の)検察官によると、我々にはそれらのサーバーに対する捜査令状を得るための相当な理由が不足しており、令状を得られるだけの相当な理由を得ることができる段階に至るのは、非常に長い時間がかかるか、不可能であると予測していた」と証言した。
ストラックは、FBIがクリントンのサーバーに対して直ちにアクセスすることはできず、「長い時間をかけてサーバーを手に入れた」と証言した。
FBIは最終的にはクリントンのサーバーを手中に収めることになるが、それはクリントンの弁護士と取り決めた条件に従うものだった。ストラックは、FBIは「その文脈で任意に――つまり、サーバーに関しては、司法省検察官とクリントン元長官の弁護士の間で同意がなされたという文脈で、任意にそれを得た」のだと述べた。
ストラックは、これらのメールをFBIが捜査する能力は、制約されていたと証言した。彼は、「様々な同意による協定の様々な条件に対処するために、顕著なフィルターチームが設置されていた」と述べた。
ストラックは、クリントンのメールに対するFBI捜査に課された、制限の一部を次のように挙げた。「それらは――これは単一のリストではないが――ドメイン、日付の範囲、人物の制限ということもあっただろう」
そうした制約にもかかわらず、ストラックは、FBIは捜査に「積極的」だったと述べた。
「FBIのチームは確かに、比較的積極的だったと思う。それが私の認識だ」と彼は話した。「捜査官は情報を得ようとすることに、より積極的である傾向にある。検察官はそれを違った視点から調べる」
ストラックは、FBIの捜査官は制約を受けることを全く望んでいなかったと述べた。彼はこう話した。「我々は求めていた――捜査官としてだ。私はできるだけ多くの情報を求める。どんなことであっても、制限は望まない。ある日付の範囲は禁止、あるドメインは禁止とは言われたくない」
FBIのジェームズ・コミー長官は、2016年7月5日の演説でクリントンを無罪放免にした。彼はクリントンの数多くの過失を挙げた。それには、クリントンが送受信した時点で110件のメールに、機密情報が含まれていたという事実も含まれていた。だが彼は、彼女をいかなる罪に問うことも推奨しないのだった。
ストラックの証言が今日公開されたのは、今週初めにFBI弁護士のリサ・ページの証言が公開された後のことだった。
ページの証言で分かった数多くのことの中には、FBIの高官は、――当時のジェームズ・コミー長官を含めて――、「重大な過失」という表現を使って、ヒラリー・クリントンに対する諜報活動取締法による刑事告発について協議していたが、司法省がそれを阻止したという事実があった。