<引用元:ニューヨーク・ポスト 2019.1.26>
Maxim誌に載ったこともある23歳のモデル、エリザベス・ピプコは、自分のキャリアが台無しになることを恐れて、あることを業界の同僚に秘密にしていた。彼女はドナルド・トランプ支持者であり、2016年の大統領選挙陣営でフルタイムの仕事をしていたのだ。
ミッドタウン西地区に住む彼女は、自分の政治的な結びつきをリベラル寄りのファッション業界から隠すに至った経緯――そしてなぜ結局トランプが好きであることを打ち明けることになったかを、ダナ・シュスター記者に話した。
私は2016年の春に、ドナルド・トランプの大統領選挙陣営に志願しようと決心しました。リベラルにも保守にも偏ったことはありませんでしたが、トランプ――彼の話ぶりや正直さ――には、何か彼こそ次期大統領だと確信させるものがありました。私はトランプ・タワーのコールセンターで働きました。8週間の間、私はデータ・チームのための全国ボランティアサービスのコーディネーターを務め、月に4,000ドルの給料をもらいました。
最初からはっきりしていたのは、もしモデルとして生き残りたければ、自分の新しい仕事については誰にも話せないということでした。
ある時、トランプ陣営で1日10時間働いた後で、(モデル代理店に所属していない)自分のマネージャーに会いに行きました。彼と同僚は、激怒して叫びながら自分たちがいかにトランプ嫌いであるかを示しました。マネージャーは、トランプのために働く人とたちは極悪であるに違いなく、彼の支持者とは絶対に仕事をしないと言い続けていました。
私がその極悪な人たちの1人だということに、彼らが気づくのではないかと怯えました。
だから私は嘘をついて、トランプ・タワーで本当に熱心に働いていた時はいつも、人にはアイス・スケートのコーチ――私は7年間のフィギュアスケート選手の経験がありました――をしていると話しました。ある日途中でモデルの友達にばったり出会った時は、即座にバッジを隠してお使いをしているのだと話しました。
ですが、モデルの仕事や会議ではいつもトランプの話になるのは避けがたく、常に大きなストレスでした。
ある撮影ではカメラマンが、トランプの顔に巨大な赤の斜線が入った黒いTシャツを着て来ました。私はとても狼狽してしまい、目の前の仕事にほとんど集中することができませんでした。
2016年7月の別の時、トランプが何か物議を醸す発言をして広くニュースになりました。ファッションショーのためにマイアミ・スイム・ウィークにいたのですが、15人の他のモデルたちはトランプを非難していました。私は隅のほうに座って、電話に出ているふりをしていました。仲間外れにされたくなかったのです。
ある時、トランプ・タワーにいる時に、ある大物男性モデルにばったり出会いました。私が17歳の時に初めて契約した、ウィルヘルミーナという代理店で知り合った人でした。彼も選挙陣営の仕事をしていましたが、自分をここで見たことを誰にも言わないで欲しいと私に頼みました。――私も同じことを言いましたが。
選挙後、私が大統領のために働いていたことは公式記録になっていたので、グーグル検索で「エリザベス・ピプコ」と入力すると、必ずトランプの名前が一緒に現れました。今の代理店であるDASの出演契約交渉担当者は、私にそのことを尋ね、困惑し少し心配していました。私は彼に、全然見当もつかないと答えたのです!私の兄弟は「トランプ」が消えるように、私の名前に他のキーワードを付けてずっと検索し続けるプログラムを作りました。
けれども選挙から2年がたった今、もう黙っていたくはありません。たとえそれが、モデル業との永遠のお別れを意味するとしても。
私はトランプのためにした仕事に誇りを持っているだけでなく、素晴らしい人たちと出会いました。――今私の夫となったダレン・センティネロもその1人であり、彼は今も大統領の選挙チームに加わっています。2020年の選挙のためのデジタル・メディアとソーシャル・メディアのアウトリーチ・戦略に携わっています。
夫と私は12月にマー・ア・ラゴで結婚式を挙げました。大統領を招待したのですが、あいにく政府閉鎖の始まる直前でした。私たちの招待状は、「結婚を再び偉大に(Make Marriage Great Again)」と描かれた赤い帽子で、そこに式の情報が全て記されたタグがぶら下げてありました。ゲストの気分を害することは気にしていませんでした。――今のところ、トランプとのつながりのせいで、私はすでにとても多くの友人を失っていて、残った人だけが留まっています。
トランプは女性にとって素晴らしい人だと思います。彼はいつも、不動産会社でもホワイトハウスでも女性をリーダーの地位に就かせました。様々な女性に支払ったとされているお金に関しては――私には関係のないことです。私にとっては、トランプ大統領が何を実行し、国のために何をするのかが大切です。
できることなら再選に参加したいと、すでに期待しています。そして今度はそれを隠しません。