ドナルド・トランプNEWS

トランプが壁建設のために非常事態を宣言したら起こること

<引用元:デイリー・コーラー 2019.1.7

ドナルド・トランプ大統領が、南部国境の壁建設のために国家非常事態を宣言したらどうなるだろうか?

大統領は現在、議会の承認なしに壁を建設できるよう、国家非常事態を宣言することを検討している。一部政府機関の閉鎖が3週間目に向かう中、民主党はトランプが壁のために要求していた57億ドルを、1銭たりとも与えることはないとしており、議会は行き詰まっている。

トランプは4日、「我々は非常事態を宣言して迅速に建設することができる。それも1つのやり方だ」と記者に話し、議会を回避するために非常事態権限を使用する余地があると述べた。

6日には、今後「数日」で交渉の行方がどうなるか見守ると付け加え、その考えを繰り返した

トランプの言葉は、大統領が国境について非常事態を宣言する権限を持っているか否かに関して、議論に火をつけた。

民主党、カリフォルニア州のアダム・シフ下院議員は6日、「ハリー・トルーマンが戦時中に鉄鋼産業を国営化できなかったら、この大統領は、非常事態を宣言して国境に何十億ドルもの壁を建設する権限は持っていない」と主張し、その考えを「役立たず」と呼んだ。

大統領には民主党のアダム・スミス下院議員というありそうもない支持者がいる。同議員は、大統領は「非常事態を宣言できる」としている。スミスは実にCNNで7日、そのような宣言は相当な法的異議申し立てに遭うだろうと思う、と認めた。

(上のツイート日本語訳:下院軍事委員会の新委員長であるアダム・スミス議員は、『法律には、大統領が非常事態を宣言できるという規定がある。何度も行われてきたことだ』と述べた。その通りだが、議会での我々の取り決めを完了させよう! ―ドナルド・J・トランプ)

法律専門家は同様に、トランプは国家非常事態法の下で非常事態を宣言できるとNBCで述べた。国家非常事態法は、大統領に一連の特別執行権限を与えており、それには「資産没収、生産手段の編成と管理、物品の没収、軍隊の海外への配置、戒厳令の実施、全ての交通と通信の掌握と管理」の能力が含まれ、それらに限定されないとされている。

議会にも大統領の宣言に対する非難決議を採択する能力がある。それには民主党多数の下院がまず決議案を承認し、その後共和党多数の上院へ送る必要があり、そこで15日以内に決議する必要がある。よって大統領は、国境での不法移民の急増が「非常事態」であると、議会に納得させる必要が出てくる。

大統領が直面するもう1つの課題は、壁建設のためにこれまで割り当てられた予算しか使用できないということだ。だが連邦法では、非常事態の間、国防総省予算内の割り当てのない予算を利用して、軍が「建設計画」を完了できるとされている。

ハーバード法学教授のマーク・タシュネットは、NBCニュースにこう話した。
「私の直感では、もし非常事態宣言をして特定の目的に充当されていない資金を壁のために使用するとすれば、大統領は非常に確かな法的根拠に基づいている」

法律専門家のジョー・ディジェノバは7日、WMALの「Mornings on the Mall」(訳注:ラジオ番組)の中で、国防総省の不特定目的予算に対して指摘した。

ディジェノバはこう話した。
「本当の問題は、大統領がいったん非常事態を宣言するとすれば、大統領にはその権限があるのだが、それ(壁建設)を実行するための資金をどこから手に入れるかということだ。国防総省の予算には約1000億ドルの未使用の資金がある」

彼はこう続けた。
「それは契約を待ったままの状態だ。彼にはその資金を使用する権限がある」

大統領は非常事態を宣言することができるだろうが、命令を適切に維持し、壁を建設するために、確実に議会と法律の多くの課題に取り組まなければならないだろう。

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