ホワイトハウスは11日、ジェームズ・コミーが「偽証」を行ったとして訴え、司法省が捜査中であることを示唆した。共和党議員は、コミーFBI元長官が議会で証言した内容に明白な矛盾がある点について、強く釈明を求めていた。
「コミー長官の解任以降、その解任が正当だったことを更に強く示すような行為があったという情報が、新たに明らかになりました」とホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は述べ、その例として「偽証」を挙げた。
コミーが偽証し、少なくとも議会を欺いたということなのか明確にするよう求められると、サンダースはFOXニュースのジョン・ロバーツに対して、「それはおそらく私ではなく司法省が捜査することだと思います。私は検事ではありません」と答えた。
サンダーズは、スティーブ・バノンの批判に対する回答としてコミーの解任を擁護したが、どの証言について言及したものかについては明言しなかった。しかし、このコメントが発表される前、リンゼー・グラム上院議員は先週、コミーがヒラリー・クリントンのメール事件に対する結論として発表した声明について懸念があることから、コミーをもう一度議会に呼びたいと考えているとFOXニュースのキャサリン・ヘリッジに話していた。
「これでは納得がいかない。疑わしいと思う」とグラム議員は述べた。
ジョン・ラトクリフ議員(共和党、テキサス)は、コミーは「絶対にもう一度証言すべきだ」と述べた。
「米国民は、クリントンのメール問題の捜査がどのように実施されたかについて、当然ながら相当な懸念を抱いています」とラトクリフ議員はFOXニュースに書面で回答を寄せた。「捜査の結論があらかじめ決まっていたことが最近の報道で示唆されていますので、このような懸念はますます強くなる一方です」
グラムとラトクリフのコメントは、コミーがクリントンの聴取を行う数週間前に、クリントンを「罪に問わないとする声明」の草稿を記していたという新事実が報道されたことを受けたものだ。
ラトクリフが懸念を覚えたのは、2016年の9月に下院司法委員会でコミーから受けた説明がそれとは異なるものだったからであるようだ。
当時ラトクリフは、コミーがクリントンを起訴することを推奨しないと決定したのが、7月の初めにFBIがクリントンを聴取する前だったのか、後だったのかとコミーに質問した。
コミーは「後だった」と答えていた。
しかし、グラムと上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長が入手したヒアリング内容によって、「罪に問わないとする声明」についての主張が明らかになった。
ヒアリングは特別顧問事務局が行ったもので、コミーの首席補佐官であるジェームズ・リビッキと国家安全保障およびサイバー法の第一副法律顧問、トリシャ・アンダーソンに対して行われたものだと共和党上院議員は述べた。調書には、コミーが2016年の5月初め頃に罪に問わないとする声明の「草稿を記した」という主張を裏付ける内容があった。また、コミーが草稿を回覧したことを示す一節もあった。
クリントンが告訴されるという場合のために、同様の声明の草稿が準備されていた可能性については明らかになっていない。
しかし、コミーの証言については、何度も疑問が投げかけられている。6月に上院情報委員会で行われた証言の中で、コミーは、2016年の7月に捜査結果を発表すると決定したが、その数日前にロレッタ・リンチ元司法長官がビル・クリントン元大統領とアリゾナの滑走路で会談したことに影響を受けていたかという質問を受けた。
「はい。最終的な結論としては受けました。それが私にとって締めくくりとなりました。つまり、捜査の信頼性を守るために、何か別のことを行う必要がありました」とコミーは答えた。
グラムは先週7日、コミーが偽証したとは思わないが、そのヒアリング内容を見れば、解決すべき問題が生じると述べた。
グラムは話し合いたい問題が2つあると述べている。一つ目はコミーがクリントンの聴取前にメール捜査の「結果をあらかじめ決定した」かどうかだ。二つ目は、滑走路での会談のためにけんかに割って入ったというコミーの主張についての懸念だ。グラムは「本当の理由は、DNCと司法省の間のクリントンの捜査の範囲についてのメールであったかもしれない」と考えるのは当然だと述べた。
「この捜査に関して既に公聴会を行っていますので、米国民は同じように前進させる機会を与えられるべきです」とラトクリフは述べた。
コミーは、ロシア疑惑の捜査が進む中5月にトランプ大統領に解任されたが、公に発表しようと決定したのには他にも理由があったと6月に証言し、リンチがメール捜査を「捜査」ではなく「事態」と呼ぶように求めたということにも言及していた。
コミーは2016年の発表で、犯罪として起訴することを推奨しないと決定したが、クリントンのメールの扱いは「極めて不注意」だったと述べた。