ペンタゴンのアメリカ軍戦略家は、北朝鮮の高まる脅威に対処するための軍事的な解決策の準備ができている。しかし、ワシントンと同盟国が外交努力を続けることを優先して行動を控えているのだと、ジェームズ・マティス国防長官は10日木曜日に語った。
長官は軍事的解決策の詳細についてはほとんど口を開くことはなかった。それは、北朝鮮が核を搭載した弾道ミサイルを開発することを阻止するためのものであるが、ただ、どのような軍事的選択肢を取る場合も太平洋地域の多くの軍事力が関わる多国間にまたがるものになるとだけ語った。
「軍事的選択肢があるかということですが、もちろんあります。軍事的選択肢こそ私が責任を負っているものです。同盟国と緊密に協力しながらこれが一方的なものとならないように・・・そしてもちろん、軍事的な解決策があります」とマティス氏は、シアトルとカリフォルニアの技術部門の幹部との会談の途中で記者に語った。
マティス長官は9日に発表した声明に新たに見識を加えることはなかった。マティス氏はその声明で、北朝鮮が挑発を続ければ、「政権が破綻し国民が被害を受けることになるだろう」と警告していた。北朝鮮は、グアムのアメリカ軍に対する攻撃計画も発表している。
その代わりに、マティス氏は、朝鮮半島の緊張を抑制するために外交的な努力を行うことが、依然としてホワイトハウスの最優先する取り組みだと繰り返し述べた。
「外交を行うことが必要です。それがこれまでやってきたことであり、現在行っていることです。そしてそれ以上の事態にならないことを望んでいます。しかし同時に、我が国の防衛は堅牢です」そして、マティス氏は、北朝鮮政権がどのような脅威を引き起こしても、その脅威に対処する準備があると述べた。
7月に北朝鮮が大陸間弾道弾の試射を成功させたことを受けて、アメリカの防衛、国家安全保障高官は、ミサイル防衛シールドの能力を繰り返し表明した。トランプ大統領は就任以来、アメリカ軍のミサイル防衛システムの改良をペンタゴンの最重要課題にしてきた。
北朝鮮が長距離ミサイルに搭載できるだけの小型の核弾頭を開発していたという報道の中で、ようやく政権幹部の中でもその勢いが増してきた。
9日にトランプ氏は、北朝鮮が核開発をやめなければ、「誰も見たことのないような炎と怒り」を注ぐと脅した。北朝鮮はそれに対して、グアムに向けてミサイル攻撃を計画していると発表した。
10日、マティス氏は、トランプ氏の厳しい言葉が不意を突くものであったかどうかについてコメントを避けた。
「私は選挙で選ばれたわけではありません。アメリカ国民が選挙で選んだのは大統領です」とマティス氏は述べた。「大統領が指摘しているのは単にこういたった挑発のことで・・・(そして)それを止めようと外交的な努力を行っているということです」