日曜日のハリウッドで、アカデミー賞に先立ってトランプ大統領を支持する小グループがデモを行った。
そのグループは、オスカー授賞式が開かれるドルビー・シアターからさほど遠くないハリウッド・ヴァイン交差点近くの地下鉄駅の外でデモを行った。
十数名の抗議者たちは、トランプの旗とアメリカ国旗が付いたプラカードを持って、「セレブは我々を代弁していない」「ハリウッドよ、我々を分断するな」といったスローガンを唱えていた。
抗議活動は「トランプを祝うサンフェルナンド・バレー」というグループによって召集されたもので、彼らは「ハリウッドのエリート」はアメリカを分断しようとしていると考えていると語った。
「トランプを祝うサンフェルナンド・バレー」のメンバーとその他の人々は、大統領を支持するためにドルビー・シアターの近くでデモを行った。
彼らは通行人の励ましや軽蔑の声に、ときたま応答していた。
19歳のエミリー・ヘミングウェイと彼女のボーイ・フレンドで24歳のデイビッド・フェイナー は、ハリウッド・ヴァイン駅の外で約十数名の群衆に加わった。
「みんなはこのセレブ達をまるで神々のように崇めている」とフェイナーは語った。
「僕たちは、セレブがある考えを持つからといって、また彼らが自分たちの考えを大々的に演説したからといって、それはアメリカ人全体の見方を反映してはいないということを示したいだけだ。」とヘミングウェイは続け、「それはその個人の意見を反映しているだけ。セレブはまるで私たちを代弁しているかのようにしているけど、私たちは自分たちで意見を言いたい。だからここに来たの」
観光客が地下鉄の駅の外のハリウッド・ブールバード沿いの星の前で立ち止まり、写真を撮っていると、業者が時折彼らを呼びとめてツアーを売り込もうとしていた。
午後1時頃、トランプ支持者のグループは駅の外に集合していた。数人が赤い「アメリカを再び偉大にしよう」の帽子をかぶり、同じメッセージの書かれたプラカードを持つ者もいた。
「狂っている。お前たちは狂っている」と、ある男性が通り過ぎざまに彼らに向かって叫んだ。
別の男性は彼らに自分は彼らを全面的に支持していると伝えていた。
ロビン・ビッドストンは、自分のプラカードを高く持ってもっと多くの人々が集まるのを待った。クレアモントに住む彼女は、トランプに対するサポートを表明するために出てきたと語った。
彼女はアメリカ国旗のイヤリングを揺らしながら、「私はトランプの『アメリカびいきの姿勢』がとても好きです。」と語った。「トランプ氏は、話すときいつも、アメリカ人にまず支援したいと言っているのが私は好きで、とても心を動かされます」
ビッドストンは、どうしても日曜日に参加したいと言っていた。それはオスカーのためであり、そのときセレブが政治的な話をするからだろう。
「彼らがやめてくれたら良いと思う」「エンターテイナーは人を楽しませることに戻ると良いと思う」、と彼女は語った。
ビッドストンは、グラミーでそのような発言が抑えられて良かったと思っていたし、レディー・ガガのスーパー・ボウルのハーフタイムパフォーマンスに満足していた。
「彼女はちゃんと区別してエンターテインメントを行って、メッセージを出さなかったからとてもさわやかな気分だった」と彼女は言った。「人々は彼女が何かすることを本当に期待していたのよ。私は『ハレルヤ、彼女は楽しませてくれた』と思った。彼女は素敵なショーをして、それは誰もが楽しめるものだった。そういう純粋なエンターテインメントね」
ドンナ・マリー・タセイコは、駅の前に立って「ラテン系はトランプを支持する」と定期的に叫んでいた。彼女は約20年前にペルーから移住したが、自分の支持を表明しに来たと語った。
「私は自分の大統領を支持したい。私の大統領はドナルド・トランプよ」と彼女は語った。「私はラテン系で、彼を支持している。それは彼が真実を語る唯一の人間で、正直で頭が良く、アメリカを再び偉大にしてくれるから。」
「ラテン系はトランプを支持、合法的なラテン系」と一人の男性が小型のメガフォンで叫んだ。
ハリウッド・ブールバードから少し離れたところで、郡保安官代理のグループが見ていた。通行人の中には、ときどき歩道を駆け上がったりする活気ある集団が冷たい空にトランプの旗をたなびかせているのを、驚いた顔で通り過ぎる人もいた。
地下鉄から出てきた女性が集団に「ノー・トランプ、ノーKKK、ノー・ファシストUSA」と叫んだ。集団はすぐさま「USA」と唱え始めた。
「トランプはあなたにとっても大統領ですよ」とある男性が通行人にアメリカの国旗を振りながら言った。
サポーターは、「ハリウッドはヘイトをやめろ」と唱えながらハリウッド・ブールバードを行進した。ハイタッチしたり彼らを応援したりする人も見られた。
約30名の人々が旗や「トランプのために警笛」「サイレント・マジョリティはトランプを支持している」といったプラカードを持って通り過ぎると、ただ笑ったり写真を取ったりする人もいた。彼らは、車を確認している警察官の前を通るとき、「ブルー・ライブズ・マター(警官の命も大切だ)」と叫んで警察官の仕事に感謝を表した。
集団がトランプの名前を唱えていると、セレブ達は自分たちのリムジンや車の窓を閉めた。車に乗った人の中には、彼らがフェンスに向かって持っていた「アメリカを再び偉大な国に」や「サイレント・マジョリティはトランプを支持」といったプラカードを困惑した顔で一瞥する人もいた。車に乗ったある女性は支持者に中指を立てて見せた。
エンターテインメント業界がトランプの政策に反対する中、今年のオスカー受賞式がどれだけ政治的なものになるかについては多くの議論がある。
(※フォントの強調は当編集部による)